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花の舞で使う山田錦をすべて生産する契約農家の活動を報告する

静岡山田錦研究会 活動レポート30<2007年度>


 花の舞の地元遠州地方(静岡県西部地区)で山田錦を栽培する花の舞の契約農家「静岡山田錦研究会」は今年は56名で活動します。作付け面積の合計は約81ヘクタール。目標反収7俵。タンパク質含有量7.0%以下。予想収穫量は約5000俵。
「静岡山田錦研究会」の結成は平成9年(1997)、以来高レベルで均一という質の向上を果たし、その後、量も確保してきました。そして、今年の主目標は反収7俵。果たして目標達成なるか、この一年の活動をレポートします。

  < 遅い梅雨明けの後、今年2回目の圃場巡回を実施。 >  


炎天下、圃場を巡回する
会員や関係者のみなさん


圃場に入り計測する会員


葉色板を使って稲の葉色を
測定する(右端の会員)

自ら圃場に入る鈴木会長


午前中の感想を述べる鈴木会長
(左、右は事務局花の舞斉藤)


数値を見て感想を述べる乗松相談役


乗松相談役の話を聞く会員

 遠州地方(静岡県西部地区)は例年よりやや遅い7月末の梅雨明けとなり、その数日後の8月3日に静岡山田錦研究会の今年2回目の圃場巡回が行われました。
直前に台風5号が発生し、当日の巡回が心配されましたが、台風は九州に上陸後北上したため遠州地方にほとんど影響はなく、予定通り巡回は実施されました。
 これは7月6日に行われた第1回目の巡回と同様、会員の圃場(田んぼ)を回り、稲の発育状態を調査するもので、今回も車を連ね、研究会の鈴木良紀会長をはじめ会員、JA関係者、そして、花の舞の土田製造部長及びスタッフが湖西市から浜松市、磐田市まで各地区の代表圃場を巡回しました。

やがて穂になる小さな幼穂をチェックする
 この時期の巡回の目的は出穂(穂が出る)時期の予想と穂肥(穂のための肥料)をいつ、どのくらいの量行うかの判断をするためです。 測定するのは1株茎数、草丈、葉色、CM値、幼穂長等ですが、重要なのは幼穂(ようすい)のチェックです。幼穂とはその名の通り、やがてりっぱな穂になる若い穂のこと。今はまだ地面から10〜15cmほどの茎の中にあり、外側からは見ることができません。そこで、茎を縦に裂いてその断面で幼穂の長さを計ります。 この時期の幼穂は長さ2〜3mm程度の小さなもの。しかし、これがすくすくと成長し穂になるのです。
この幼穂の長さでいつ頃穂が出るのか予想できます。研究会では巡回する田んぼ1枚1枚に8月〇〇日というように具体的に予想していきます。例年はだいたい8月下旬に集中するようです。
 しかし、今年の測定によると幼穂の長さは1mm位が多かったと言います。これについて鈴木会長は「日照不足の影響が出ているのかもしれません。田植えの早いコシヒカリなどは5月の気温、水温が低かったことで生育がゆっくりになっています。山田錦の田植え後はまだよかったのですが、それでも例年に比べて若干生育が遅くなっています。これによって全体に予定が後ろにずれていきますが、稲そのものへのダメージはありません。今年の出穂は9月の頭くらいになりそうです」と語ります。

葉の色で穂肥の量を決める
 もう一つの大切なチェックポイントは稲の葉色です。葉の色は葉色板という、黄緑色から深い緑色まで7段階に分けて色が付けられている板を使い、稲の葉に近づけ、葉の色がどれくらいの濃さであるかを、3.5とか4というように数値で表します。
研究会ではこの他にクロロフィルメーターという葉に含まれる葉緑素の濃度を測定する機器を使って測定を行っています。人間の目で測定する葉色板よりはるかに精密に測定できるものです。測定された数値がCM値と呼ばれるもので、これにより、稲に含まれるチッ素量もだいたい想定できます。それを参考にしながら、穂肥の量を決めるのです。
つまり、葉の色が濃い場合は肥料(チッ素)がまだ含まれているので入れないが、色が抜けていたら肥料を入れるというわけです。その量は10a(1000平方メートル)当たりチッ素成分で最大2kg。葉色の具合でその量を調整するのです。 今年については「生育が少し遅れ気味なので、もう少し様子を見て、そこの判断でどのくらい入れるか決めることになるでしょう」と鈴木会長は言います。

米のタンパク含量7.0%以下を今年も達成するために
 なぜ、ここまで肥料を入れることに神経を使うのか。その理由を鈴木会長は「肥料(チッ素)が多いと茎が伸び過ぎ、また、タンパク質の量が多い米になってしまうからです。研究会では当初から目標としてタンパク質7.0%以下をめざしてやってきました。最近ではほとんどそれを達成していますので、これからもそれを続けなくてはいけませんから」と説明してくれました。
 穂肥の問題が解決した後の稲の管理として、出穂までの間、間断灌水を行います。つまり、田んぼに水を入れたり、抜いたりを繰り返すことです。。「この時期は水の管理によって、根の健康度がずいぶん異なってしまうので、まめに水を入れ替えて酸素を土の中に入れてやり、根を活性化させ維持するためです」と鈴木会長。

葉色と幼穂長をよく見て穂肥を入れる
 昼食会場で午前中の巡回の感想として鈴木会長は会員に対し、「以前は幼穂の長さにむらがありましたが、今日見たところ差はあまりないようです。少し生育が遅れ気味のところもありましたが、幼穂をよく見て穂肥の時期と量を決めてください。虫や病気はほとんどないようですが、穂が出たらカメ虫やイモチの防除を行ってください」と話しました。

 続いて、研究会の乗松精二相談役が午前中計測した数値を見て感想を述べました。「CM値がやや高い人がいるが今年はやむを得ないかと思います。これから1週間の天候次第でチッ素を入れる量と時期が変わるかもしれません。大切なのは、明らかに葉の色が薄くなったとき。もしくは、幼穂長が1.5cmから2.0cmのところでチッ素成分で1kgないし2kg入れること。穂の長さが6cmを超えた以降は決して入れてはいけない。タンパク含有量が7%を超えてしまいます。

去年はチッ素が切れて痩せ気味のものもあったので、これから気を付けて観察して、できるだけ穂肥は入れるようにしてほしい」とアドバイス。
さらに、「54人の平均反収が6俵にいくよう願っています。ただし、品質を落として反収を上げてもいい酒にはつながらない。これだけは肝に銘じてやっていただきたい」と語りました。

 この日は巡回が終わった後、研究会の親睦会が浜名湖畔の宿で開催されました。強い日差しのもとでの巡回は疲れたことでしょうが、自分たちが栽培した山田錦でつくった酒「花の舞」の味は格別だったことでしょう。

 
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