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梅雨とは言え比較的雨が少ない今年の遠州地方、、静岡山田錦研究会の恒例の活動である今年1回目の圃場巡回が行われた7月6日(金)も雨は降らず、巡回はスムーズに行われました。 この圃場巡回は会員の圃場(田んぼ)を回り、稲の生育状態を視察するもので、7月、8月にそれぞれ1回ずつ行われます。広いエリアにまたがる会員全員の圃場はとても1日では回りきれないため、7月、8月は各地区の代表圃場20カ所を巡回します。この内9箇所は会の発足当時から11年間変わることなく、毎年稲の観察が継続して行われています。
草丈が約40cmほどに成長した山田錦の圃場
西から東へ車10数台で巡回
西から東へ巡回するため、朝9時、もっとも西に位置する湖西市に、鈴木良紀会長をはじめ、全地域の視察を希望する会員とJA関係者、そして、事務局の花の舞酒造からスタッフ、土田製造部長、蔵人らが集合しました。この他、自分の地区のみ視察する会員は時間を見計らって、本隊が到着するのを各地で待ち受けます。 一行は車10数台を連ねて移動するため、信号で車列が途切れ、先行する車列を見失って行き先が分からなくなる車が出るというハプニングもありましたが、夕方まで精力的に巡回しました。
1株の茎数を確認。標準の数に達していれば水を切る 圃場へ到着するとすぐに計測係が圃場へ入り、ポールを刺してある位置まで進み、手際よく測定を行います。ポールは毎回同じ稲を調査するための目印です。 7月の巡回で行うのは1株の茎数の確認。田植えの時に3本で植えた苗が何本に分けつしているかを数えます。研究会では今までのデータ蓄積により、この時期の最良の本数を設定しています。 最良の本数に達していれば、それ以上分けつしないように止めなくてはなりません。その理由を鈴木会長は、「分けつが多すぎると太い茎、細い茎とバラツキが出てしまい、栄養も太い茎の方へ偏りがちになり、それが最終的にもみの大きさのバラツキにつながります」と言います。
稲の分けつを止めるのは、圃場の水を切り、中干しをすることで行います。「水を切る」とは、田んぼの水を抜いて圃場を干すこと。通常、田植えから35日くらい経過する7月中旬から始めて下旬まで中干しが行われます。あまり大きなヒビ割れをつくらない程度に水を抜いて、軽く根に刺激を与えてやり、分けつを止めるのです。 中干しの意味を鈴木会長は、「分けつはもういいよ。穂をつくる準備をしてくださいと、稲に教えてあげるのです」と分かりやすく説明してくれました。
有効な分けつのポイントは苗を浅く植えること
有効に分けつするために大切なことがあると鈴木会長は言います。それは、田植えの時に苗を浅く植えることです。「稲は根の地面(じづら)から分けつを始めます。だから、浅く植えれば土の上に出てくるのが早く、広がって出る。また、1本1本の茎も揃っています。 ところが、苗を深く植えると、土の中にいる時間が長く、出てくるのが遅い。しかも、土の中で力尽きて出てくると細い茎になってしまいます。 だから、浅く植えて、同じような状態で地面から出してやる。そして、中干しをして、1回分けつを止めてやることによって同じくらいの太さになれば、出穂の時期もいっしょになります。それが、バラバラだと、もみの品質から大きさ、刈り取りの時期まですべてに影響してしまいます」。静岡山田錦研究会では発会当初から田植えは1〜2cmの浅植えを指導してきましたが、その理由はここにあったのです。
葉色を見て肥料の効き具合を確認する
その他におこなわれるのは稲の色のチェック。上から2枚目、開いている葉の色を葉色板を使って確認します。葉色板は黄緑色(1)から深い緑色(7)まで、7段階に分けて色が付けられている板で、それを葉に近づけ、葉の緑色がどのくらいの濃さであるかを数値で表します。 鈴木会長に聞くと、「今は最も濃い色のピークが過ぎて、色が抜け始めた頃です。7月上旬は4から4.5。8月になれば、3から3.5がベスト」と言います。つまり、だんだん色が抜けていくのがいいのです。 緑が濃いのは肥料、つまりチッ素が多い証拠。研究会では元肥(チッ素)は10a当たり2kgまでということでやっています。しかし、それでも天候の状況により、肥料が後になって効いてくることもあります。そんなときは、中干しの期間を少し長くして、稲をタフに育てることで対処します。
中干しの後は、水を浅く張って管理する。 中干しが終わった後は、足跡に水がたまる程度に水を張って浅水管理を行います。ただ、このときも注意が必要です。「中干しをすると稲は土の中に細かい根を出します。水を入れてやると今度は稲本来の根を出すのです。その切り替えがうまくいくように、一度に水を入れるのではなく、一回水を入れて、スーッと抜いて、徐々に根を切り替えさせます。そして、浅水で管理するわけです」と鈴木会長。やはり、良い稲を育てるためには細かな心遣いが必要なのです。
今年は深植えが減っている。好天で生育も順調。
昼食会場で午前中の巡回を振り返って鈴木会長は「去年は日照不足でしたが、今年は天候も良かったので成長もいいように見受けました。分けつはだいたい標準の数なので、このまま行けば良いでしょう。中干しも天気が良かったので通常通りでいいと思います。去年は深植えが目立ちましたが、今年は減っています。これからも浅植えを心掛けてください」と総評しました。 今年は天候に恵まれたこともあって、今のところどの稲も順調に生育しているようです。これからの成長が期待されます
第2回目の圃場巡回は8月3日に行われる予定です。
次回の巡回の様子もレポートしますのでどうぞご覧ください。
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