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静岡山田錦研究会 活動レポート18<2006年度>


  < 熱い日差しのもと、今年2回目の圃場巡回を行う。>  


炎天下、圃場を巡回する会員や関係者のみなさん



炎天下、圃場を巡回する会員や関係者のみなさん


梅雨明け宣言の後、はっきりしない天気が続いていましたが、ようやく夏らしい日差しになった8月4日、静岡山田錦研究会の第2回目の圃場巡回が行われました。
これは7月7日に行われた第1回目の巡回と同様、会員の圃場(田んぼ)を回り、稲の発育状態を調査するもので、今回も車を連ね、研究会の鈴木会長をはじめ会員、JA関係者、そして、花の舞の土田杜氏及びスタッフが湖西市から磐田市まで各地区の代表圃場を巡回しました。


今年は期待が持てると語る乗松相談役


日照不足の不安一転、期待大
まず、7月の巡回のときの心配事であった日照時間不足の影響について乗松相談役に聞いてみると。「晴天は少なかったですが、山田錦の葉の色は品種特性として、もともと薄いので、それほど同化能力(でんぷんをつくる力)は落ちていませんでした。この数日、夜が涼しいので、案外いいかもしれません。この時期の理想としては、日中の温度の上限が32度Cまで、夜は25度Cを切ってほしいのですが、ほぼその条件におさまっているので、意外に今年の山田錦はいいかもしれませんよ。
生育期間が短く、一気に大きくなる葉もの野菜は大変でした。ある期間だけ日照時間が短く、湿度が高いと、大きな影響が出てしまいます。その点、稲の生育期間は種まきから140日から長いもので180日かかります。その違いですね」。
山田錦に関しては、先月の不安が一転して期待が持てる状況にあると言う。


幼穂の長さを計る鈴木会長(左)



1株の茎数を確認する


やがて穂になる小さな幼穂をチェックする
この時期の巡回の目的は出穂(穂が出る)時期の予想と穂肥(穂のための肥料)をいつ、どのくらいの量行うかの判断をするためです。
測定するのは1株茎数、草丈、葉色、CM値、幼穂長等ですが、重要なのは幼穂(ようすい)のチェックです。幼穂とはその名の通り、やがてりっぱな穂になる若い穂のこと。今はまだ地面から10〜15cmほどの茎の中にあり、外側からは見ることができません。そこで、茎を縦に裂いてその断面で幼穂の長さを計ります。この時期の幼穂は長さ2〜3mm程度の小さなもの。しかし、これがすくすくと成長し穂になるのです。
この幼穂の長さでいつ頃穂が出るのか予想できます。研究会では巡回する田んぼ1枚1枚に8月〇〇日というように具体的に予想していきます。今年は例年並にだいたい8月下旬に集中するようです。


葉色板を使って稲の葉色を測定する


葉の色で施肥量を決める
もう一つの大切なチェックポイントは稲の葉色です。葉の色は葉色板という、黄緑色から深い緑色まで7段階に分けて色が付けられている板を使い、稲の葉に近づけ、葉の色がどれくらいの濃さであるかを、3.5とか4というように数値で表します。
研究会ではこの他にクロロフィルメーターという葉に含まれる葉緑素の濃度を測定する機器を使って測定を行っています。人間の目で測定する葉色板よりはるかに精密に測定できるものです。測定された数値がCM値と呼ばれるもので、これにより、稲に含まれるチッ素量もだいたい想定できます。それを参考にしながら、肥料の量を決めるのです。
つまり、葉の色が濃い場合は肥料(チッ素)がまだ含まれているので入れないが、色が抜けていたら肥料を入れるというわけです。その量は1000平方メートル当たり最大2kg。葉色の具合でその量を調整するのです。


稲の成長を見る花の舞の土田杜氏


米のタンパク含量を減らすために
なぜ、ここまで肥料を入れることに神経を使うのか。その理由を鈴木会長は「肥料(チッ素)が多いと茎が伸び過ぎ、また、タンパク質の多い米になってしまうからです。研究会では当初から目標としてタンパク質7.0%以下をめざしてやってきました。最近ではほとんどそれを達成していますので、これからもそれを続けなくてはいけませんから」と説明してくれました。
穂肥の問題が解決した後の稲の管理として、出穂までの間、間断灌水を行います。つまり、田んぼに水を入れたり、抜いたりを繰り返すことです。。「この時期は水の管理によって、根の健康度がずいぶん異なってしまうので、間断灌水を行うことで酸素を土の中に入れてやり、根を活性化させるのです」と鈴木会長。


昼食会場で午前中の感想を述べる鈴木会長(右)



今後のアドバイスをする乗松相談役(中央)



昼食で英気を養い午後の巡回に備える会員のみなさん


山田錦はいまのところ順調に生育
この日の巡回の感想として鈴木会長は会員に対し、「全体に順調に生育しているように思います。ただし、田植えの時に深く植えてしまった人の稲にはその影響が出ていました。茎の太さにムラがあります。来年は浅く植えるよう徹底してください。そうすれば、長さ、太さのそろった、しっかりした稲ができます。穂肥については幼穂の長さが1.5cmから2.0cmになったときに行ってください」と述べました。
また、乗松相談役は「穂肥はCM値を見ながら施肥量を決めてください。入れる日も早くならないように注意してほしい。早いと稲の第5節と4節がそうとう伸びて、倒伏につながる恐れがある。日にちと施肥量をまちがいなくやれば、今年はこのままいけば病害虫はほとんどなしでいける可能性がある。安心して管理をやってもらえると思います」とアドバイスしました。
この日は巡回が終わった後、研究会の親睦会が浜名湖畔のホテルで開催されました。
強い日差しのもとでの巡回は疲れたことでしょうが、自分たちが栽培した山田錦でつくった酒「花の舞」の味は格別だったことでしょう。

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