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静岡山田錦研究会 活動レポート17<2006年度>


  < 梅雨空の下、本年度1回目の圃場巡回を実施。>  


10年間変わることなく、毎年同じ圃場の稲を観察。


圃場を巡回する静岡山田錦研究会の一行(中央が鈴木会長)


梅雨の真っ只中、どんよりと曇った七夕の日に、静岡山田錦研究会の恒例の活動である圃場巡回が行われました。
これは7月、8月、9月にそれぞれ1度ずつ行われる巡回の1回目で、会員の圃場(田んぼ)を回り、稲の生育状態を視察するものです。
広いエリアにまたがる会員全員の圃場はとても1日では回りきれないため、7月、8月は各地区の代表圃場20カ所を巡回します。これらは毎回同じ圃場で、この内9箇所は会の発足当時から10年間変わることなく、毎年稲の観察が継続して行われています。


草丈を測る。約40cmほどに成長している


西から東へ車10台で巡回。
朝9時、例年どおり、西から東へ巡回するため、もっとも西に位置する湖西市に、鈴木会長をはじめ、全地域の視察を希望する会員とJA関係者、そして、事務局の花の舞酒造からスタッフ、土田杜氏らが集合しました。その数ざっと40名。この他にも、自分の地区のみ視察する会員は時間を見計らって、本隊が到着するのを各地で待ち受けます。一行は車10台を連ね、時折雨がパラつく中を夕方まで精力的に巡回しました。


1株の茎数を数える会員


1株の茎数を数えて水を切るタイミングをはかる。
圃場へ到着するとすぐに計測係が圃場へ入り、ポールを刺してある位置まで進み、手際よく測定を行います。ポールは毎回同じ稲を調査するための目印です。
7月の巡回で行うのは1株の茎数の確認。田植えの時に2〜3本で植えた苗が何本に分けつしているかを数えます。研究会では今までのデータ蓄積により、この時期の最良の本数を設定しています。
最良の本数に達していれば、それ以上分けつしないように止めなくてはなりません。分けつが多すぎると最終的に籾(もみ)の大きさにバラつきが出てしまうからです。分けつを止めるのは、圃場の水を切り、中干しをすることで行います。
「水を切る」とは、田んぼの水を抜いて圃場を干すこと。通常、田植えから35日くらい経過する7月中旬から始めて下旬まで中干しが行われます。あまり大きなヒビ割れをつくらない程度に水を抜いて、分けつを止め、後の作業のために土の表面を硬くしてやるのです。
今回の巡回の結果は「日照時間が不足している影響があります。分けつが足りない稲が見受けられました」と鈴木会長。太陽の季節の到来が待たれます。


葉色板を使って稲の色を確認する


葉色を見て肥料の効き具合を確認する。
その他におこなわれるのは稲の色のチェック。上から2枚目、開いている葉の色を葉色板を使って確認します。葉色板は黄緑色(1)から深い緑色(7)まで、7段階に分けて色が付けられている板で、それを葉に近づけ、葉の緑色がどのくらいの濃さであるかを数値で表します。
鈴木会長に聞くと、「7月上旬は4から4.5。8月になれば、3から3.5がベスト」と言います。つまり、だんだん色が抜けていくのが良い例なのですが、今年の様子を聞くと、「日照不足で色にむらがある」とのこと。
色が濃い稲も見受けられましたが、「緑が濃いのは肥料、つまりチッ素が多い証拠です。研究会では肥料は2kgまでということでやっていますが、それでも天候の状況により、肥料が後になって効いてくることもあるのです。中干しの期間を少し長くして、稲をタフに育てれば大丈夫でしょう」ということでした。


測定したものはすべて記録され、後日分析が行われる


中干しの後は、水を浅く張って管理する。
中干しが終わった後は、足跡に水がたまる程度に水を張って浅水管理を行います。「中干しをすると稲が細かい根を出します。その根が驚かないように、徐々に水に慣れるために、水をまめに入れ替えてやって、浅水で管理するわけです。それで、色を抜いていく。つまり、肥料、チッ素をなくすようにしていくのです」と鈴木会長。やはり、良い稲を育てるためには細かな心遣いが必要なのです。


計測の様子を見る乗松顧問(左手前後ろ姿)


今年は日照不足。根を深く張らせることが課題。
乗松顧問は今年1回目の圃場巡回の感想を「日照不足が明らかです。例年より17、8時間ほど足りない。そのために、葉の厚みや幅が足りないように見受けられました。成長のペースがゆっくりになっています。
ここ半月の内に太陽が出てくれればいいが、いかに根を深く張らせていくかが課題です。病害虫はないようでよかったが、田植え後一カ月くらいが根がいちばん疲れているとき、水を出し入れして、根を丈夫にしていくことが大切です」と会員に注意を促しました。
第2回目の圃場巡回は8月4日に行われます。
日照不足の課題は克服されているのか、次回の巡回の様子もレポートしますのでどうぞご覧ください。

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