

山田錦の圃場に土壌改良剤をまく鈴木会長
野口富彦さん
大きなおにぎりが目印の直売所
コシヒカリの苗
4月に入るといよいよ米づくりが始まります。総勢51名の静岡山田錦研究会会員のほとんどが酒米の山田錦だけでなく、うるち米(食用米)もつくっています。むしろ、そちらの作付け面積の方がだんぜん広いのです。
食用米は一般的に山田錦より約1ヶ月ほど早く作業が始まります。そこで、会員のみなさんが山田錦づくりに先駆けて行う仕事ぶりを拝見しました。
また、仕事が忙しくなる前にしかできないこともあります。そんなこの時期の会員の様子も紹介しましょう。
静岡山田錦研究会の鈴木会長は4月2日山田錦の圃場(田んぼ)に土壌改良剤を入れました。これは毎年この時期に行っているもので、土壌改良剤を入れた容器をトラクターの後ろにセットし、圃場の外側からゆっくり進みながらまんべんなくまいて、だんだん内側に向かっていきます。広い圃場ですがトラクターを使えば5分ほどで作業は終了します。この後は土壌改良剤が流れないよう土の中に入れるために、もう一度圃場を軽く打ち(起こす)ます。
それ以前の冬には圃場の粗起こし(あらおこし)をすることがあります。ザクリ、ザクリと田んぼを起こすことで、冬田打ち(ふゆたうち)とも言うそうです。その目的は、圃場にはわらがカットされて置かれていますが、それを鋤き込む(すきこむ)、つまり、わらをこねて土の中に入れ、発酵をうながして土になじませること。また、土に少し空気を入れてやるためでもあります。
鈴木会長は食用米としてはコシヒカリのもみまきを4月20日頃に行う予定ということでした。山田錦のもみまきよりちょうど1か月早いことになります。
野口富彦さんは周智郡森町で唯一の静岡山田錦研究会会員。研究会が結成された平成9年からのオリジナルメンバーです。山田錦の他には食用のコシヒカリ、ヒノヒカリ、そして麦を栽培しています。この3月まで静岡県稲作研究会の会長を2期4年務めた人でもあります。
野口さんが山田錦とともに熱心に取り組んでいるのが「森町産究極のコシヒカリ」。農薬の使用量は従来の半分以下。化学肥料は一切使用せず、有機肥料のみを使った米づくりを行っています。収穫前には山田錦研究会が行っているような圃場審査を行います。それによる合格率は50%前後の厳しいもの。それだけに、消費者の評価は「おいしい。香り、味も違う」と好評です。
経営する野口園では毎週土日の午後1時から4時限定でこの究極のコシヒカリを販売しています。伺った3月31日。もみまきをしたコシヒカリの苗がスクスクと成長していました。