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活動レポート

静岡山田錦研究会レポート

薄曇りの下、1回目の圃場巡回を実施。

1株の茎の数を数える

鈴木会長(中央)

花の舞土田製造部長

稲の成長具合を確認する会員

葉色板を使って色を確認する

クロロフィルメーターでCM値を測定する

記録を取る事務局(花の舞)斎藤

稲のこれからの育て方を指導する乗松相談役

乗松相談役の話を聞く会員・花の舞蔵人

稲の生育順調。研究会初、平均反収7俵台も望める。

 静岡山田錦研究会の定例活動である今年1回目の圃場巡回が7月3日に行われました。
梅雨のさなかとあって天気が心配されましたが、巡回にはちょうどいい薄曇りの下巡回は行われました。
 この圃場巡回は会員の圃場(田んぼ)を回り、稲の生育状態を視察するもので、7月、8月にそれぞれ1回ずつ行われます。広いエリアにまたがる会員全員の圃場は1日では回りきれないため、7月、8月は各地区の代表圃場19カ所を巡回します。この内9ヶ所は会の発足当時から13年間変わることなく、毎年稲の観察が継続して行われています。
 今年も鈴木良紀会長をはじめ、全地域の視察を希望する会員とJA関係者、そして、花の舞酒造から事務局の斎藤、土田製造部長、青木製造課長、蔵人らが参加。この他、自分の地区のみ視察する会員は時間を見計らって、本隊が到着するのを各地で待ち受けるというやり方で行われ、夕方まで精力的に巡回しました。

1株の茎数今年はやや少なめ

 圃場へ到着するとすぐに計測係が圃場へ入り、ポールを刺してある位置まで進み、手際よく測定を行います。ポールは毎回同じ稲を調査するための目印です。
 7月の巡回で行うのは1株の茎数の確認。田植え時の苗が何本に分けつして(増えて)いるかを数えます。研究会では今までのデータ蓄積により、この時期の最良の本数を設定しています。
その本数に達していれば、それ以上分けつしないように止めなくてはなりません。分けつが多すぎると太い茎、細い茎とバラツキが出てしまい、栄養も太い茎の方へ偏りがちになり、それが最終的にもみの大きさのバラツキにつながるからです。
 今年の分けつの状況について鈴木良紀会長は、「苗を早く植えた圃場は12本でちょうどいいのですが、6月9日、10日に植えた圃場は、この時期としてはやや少なく10本止まりでした。もう少し稲を観察して中干しすることになりそうです」と言います。

 中干しとは田んぼの水を抜いて干すこと。稲の分けつを止めるために行います。あまり大きなヒビ割れをつくらない程度に水を抜いて、軽く根に刺激を与えてやり、分けつを止め、稲に穂をつくる準備をするよう知らせてやるのです。通常田植え後、35日から40日で中干しを始め、7月下旬まで行いますが、今年は分けつ本数が少ないので、もう少し本数を増やしてから中干しをすることになりそうです。

苗の浅植えは全員が実行

 有効に分けつするために重要なことは、「田植えの時に苗を浅く植えること」と鈴木会長は言います。「稲は根の地面(じづら)から分けつを始めます。だから、浅く植えれば土の上に出てくるのが早く、広がって出る。また、1本1本の茎も揃っています。
 ところが、苗を深く植えると、土の中にいる時間が長く、出てくるのが遅い。しかも、土の中で力尽きて出てくると細い茎になってしまいます。だから、浅く植えて、同じような状態で地面から出してやる。
 そして、中干しをして、1回分けつを止めてやることによって同じくらいの太さになれば、出穂の時期もいっしょになります。それが、バラバラだと、もみの品質から大きさ、刈り取りの時期まですべてに影響してしまいます」。
 静岡山田錦研究会では発会当初から田植えは1〜2cmの浅植えを指導してきましたが、その理由はここにあったのです。今年の様子を聞くと、「みんな浅植えでやっています」とのこと。もう、浅植えはすっかり定着しているようです。

 この巡回でその他におこなわれるのは稲の色のチェックです。上から2枚目、開いている葉の色を葉色板を使って確認します。葉色板は黄緑色(1)から深い緑色(7)まで、7段階に分けて色が付けられている板で、それを葉に近づけ、葉の緑色がどのくらいの濃さであるかを数値で表します。その他に、クロロフィルメーターという葉に含まれる葉緑素の濃度を測定する機器も使って測定します。その数値CM値と呼ばれるものです。

 今年はどうであったのか鈴木会長に聞くと、「去年は反収を増やすために肥料をやや多めに入れたため、色が濃い稲が見受けられましたが、今年は抑え気味にしているようで、葉色板で4.5、CM値だと38,39くらいが多く、ちょうどいいですね。今は最も濃い色のピークが過ぎて、色が抜け始める頃です。だんだん色が抜け、8月に入って3から3.5に下がります。さじ加減一つで変わってしまうので肥料は難しい。農家の経験と勘でやるしかありません」と言います。
 それから、鈴木会長は天候について、「今年の天候はおととしとよく似ている。その年を振り返って、今年の作業の参考にしてほしい」と語りました。

一発施肥でやった人も、穂肥が必要か

 研究会の乗松精二相談役は会員を前に「6月の気温は対前年比で2度高く、水温も上がっている。日照量も多いので、一発施肥でやった人の元肥は、前半の分はほとんど食いつくしていると思われる。しかし、今の時期に追肥をやったらぜったいだめ。水の管理で上手に調整してほしい。中干しをガリガリにしてはだめ。
 一発施肥でやった人も、8月10日前後には穂肥を入れるつもりでやってほしい。次の圃場巡回が8月7日に行われるが、そのときの葉色板数値、CM値を見て、会長から穂肥を入れるのか、その必要はないのか。入れるのならどれくらいなのかの指示があるはず、それを守って的確に作業してほしい。
 今年は梅雨明けが早く、猛暑になるという予報が出ているが、今年の稲だったら高温に耐えられると思う。がんばれば研究会で初めて平均反収7俵台いけると思う。上手にやった人なら8俵いけるかもしれない。ただし、タンパク質含有量7.1%以上ではだめ。中身のいい山田錦にしなくてはならない。7月の天候を気にしながら上手な水管理をしてほしい」と、これからの作業のポイントを指導し、会員を激励しました

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