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活動レポート

静岡山田錦研究会レポート

8月の好天で生育順調。

鈴木会長の山田錦圃場

9月上旬の山田錦の姿

少し頭を下げている稲が見受けられます

赤とんぼを見つけました

隣の田んぼのコシヒカリは刈り取りが終わっています

これからは「間断灌水」が重要

穂肥も例年並みに実施。今後重要は水管理。

 7月は天候不順で雨が多く、日照不足が心配されましたが、8月上旬に今年2回目の圃場巡回を行ったところ、悪影響はほとんどないということで胸をなでおろしました。
あれから1カ月。山田錦の圃場はどうなっているのか。9月3日、鈴木良紀会長の圃場を訪ね、話を聞きました。

 まずは、「8月は天気が良かったですね」と鈴木会長に語りかけると、「良すぎて水が足りないくらいです」と言います。「いや、田んぼは大丈夫ですが、畑は雨がほしいですね」。どうやら8月は農家にとって天気が良すぎたようです。「しかし、田んぼはあれくらいの天候じゃないと早生の稲は倒れてしまいます」と言うように、米農家にとっては、8月が夏らしい天候になって、ほっとしているようです。

 8月の圃場巡回の目的は出穂時期の予想と、穂のための肥料である穂肥をいつ、どのくらい入れるかを判断するために行われました。通常、肥料は春に入れます。それが夏までの間、それぞれの時期に効くのですが、今年は7月が天候不順で例年に比べ日照時間が少なかったため、本来なら消費されるはずの肥料がまだ残っていたことが考えられ、そのために、8月上旬の巡回では例年なら葉色が緑色から黄緑色へと色が抜けていくものが、まだ色の濃い稲が見受けられたわけです。

 そのため、研究会の会員は8月上旬以降の天候を気にかけていたのですが、夏らしい好天が続いたことで、「肥料が一気にがーんと効いて、がーんと抜けた感じ」だと鈴木会長は言います。そこで、肥料が抜けたことを葉色で確認するとともに、やがて穂になる幼穂の大きさが2cmくらいになったところで、穂のための肥料を例年通り8月15日くらいまでに入れた会員が多かったようです。それ以降に肥料を入れるともみにタンパク質が残ってしまう恐れがあるのでタイミングに注意が必要なのです。

 出穂時期も例年通り8月末から9月頭頃。取材したのが9月3日でしたが、ちょうど稲の頭が少しだけ下がっていました。鈴木会長は「予想より2日くらい早い」と言います。その理由については「幼穂形成期に肥料が効いて一気にごんごん動いたのかな」と想像します。

 病害虫について聞くと、「カメムシは早生の稲には少なかった。今もいません。今年は、長雨によるいもち病が早生の稲に出ることはあるでしょうが、8月以降の天候がいいので、山田錦など奥の品種には出ることはないと思います。心配なのはカメムシです。秋になると出ますからね」と語りました。これからも気が抜けません。

 今は稲にとって微妙な時期。「稲本体の成長にエネルギーを使うと、そこへ栄養が行ってしまうので粒(もみ)はつくれません。しかし稲自体が、もう、今からはもみをつくるんだ、というふうになってくれれば栄養は粒(もみ)の方に行きます。そのあたりのバランスがむずかしいです」と鈴木会長は言います。

 さて、米づくりの集大成刈り取りの時期はいつ頃になるのでしょう。例年は10月5日から10日の間に行うことが多いのですが、「このままでいけば少し早くなるかもしれません」と鈴木会長は予想します。そのために、今後大切なのは水の管理。水をためておくと稲の根が腐ってしまうからです。「最後まで生きようとする根が腐ると実入りに影響します。今からはいかに根を維持するか、適切に間断灌水(田の水を抜いたり入れたりする)を行うことが大切です」と語りました。
 9月下旬には刈り取り前のすべての圃場を、花の舞の土田製造部長が評価することになっています。いよいよ今年の山田錦づくりもあと1カ月となりました。

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