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活動レポート

静岡山田錦研究会レポート

穏やかな冬の一日、稲体の形態調査が行われる。

 

 

稲の各部の長さを計測

もみの数をカウンターを使って数える

稲の束をそろえて切り取る(鈴木会長)

10cmに切りそろえられている

稲1本ごと皮をむき芯だけ残す

芯の重さを量り記録する

一定量の米の重さを正確に量る

まず網目2.0mmの選別器で米を選別する

つぎに網目1.95mmの選別器で米を選別する

 

長さ、重さ、数、稲の1本1本を計測、計量。

花の舞の地元、遠州地方(静岡県西部地区)で山田錦を栽培する契約農家のグループ「静岡山田錦研究会」では、11月11日に行われた「成分分析会」をもって、平成21年度の全体活動は終了しましたが、その後、12月9日に鈴木良紀会長はじめ会員と事務局(花の舞)、JA職員が集まり「稲体の形態調査」を行いました。
 この形態調査は毎年行われているもので、毎年9月下旬、花の舞の土田製造部長によって刈り取り前のすべての圃場(田んぼ)の評価が行われますが、その時に会員から1株ずつ稲を提供してもらいます。それを、乗松相談役の作業小屋に保管しておき、この時期に調査するものです。

稲の各部の長さ、もみの全数まで調べる

調査はまず1株の茎を数え、1株の中の最も稈(茎)の長いものを除き、2番目、3番目に長いもの2本を選んで行います。測定するのは稲の全長、稈長(茎の長さ)、穂長、止葉長。そして、稈には6つの節がありますが、その節と節の距離(長さ)を測ります。
それから、枝梗(しこう・穂の先のもみを付けた細い枝)の数、もみの全数、その内の実になっていない数をそれぞれ数えます。もみの全数を調べるのは手間がかかりますが、カウンターを使い一粒、一粒ていねいに数えます。

新しい調査も継続して行う

この他に、稈基重(かんきじゅう)の測定も行われます。これは、平成18年度から行われているもので、稲一株のいちばん下の地ぎわを切り落とし、そこから上10cm分を切り取ります。そして、1本1本の皮をむき芯だけ残し、その重さを計り、10本当たりの重量に換算した数値を出します。
平成18年度に調査したところ、この数値と収量に関連性があることが判明しました。そのため、平成19年度以降は稈基重10本当たり2.0g以上を目標としてやってきました。
2.0g以上あるということは茎がしっかりしていることを意味します。茎の中の容器がしっかりしていて大きければ、栄養を組織に蓄えることができます。しかし、狭いと栄養を組織に送ってやることができません。そこで、研究会では稈基重2.0g以上を目標としているのです。

1粒の大きさ(厚さ)が2.0mm未満の米を減らすために

また、今回は11月に行われた成分検査会でできなかった、米の大きさの測定も行われました。 刈り取り、乾燥・もみすりをして、大きさを分ける選別機にかける前の米を会員全員に提供してもらい行うものです。
収穫した米はその一粒の大きさ(厚さ)が2.0mm未満だとくず米になってしまい、出荷することができません。会員の米は平成18年、19年とも2.0mm未満が全体の10%以上となっており、研究会として1粒の大きさ(厚さ)が2.0mm未満の米を減らすことを目標としてやっています。
乗松相談役は「2.0mm未満の米の比率はできれば1桁に抑えたい。理想は7%程度」と目標を設定しています。
測定は、まず一定量(250グラム)のサンプルの米を網目2.0mmの選別器に入れ、2.0mm以上とそれ以下に分け、2.0mm未満の分の重量を測定します。そして、更に2.0mm未満の米を網目1.95mmの選別器に入れて分別し、1.95mm未満の分の重量を測定します。こうして、全員の米を測定、最後に一定量に対するそれぞれの比率を計算するのです。
この、米の大きさ(厚さ)に関するデータは全員の分が平成22年1月までにまとめられ、勉強会で使用される予定です。

測定値をまとめ勉強会で活用する

この測定調査は作付けした会員(平成21年度は51人)の稲すべてに対して行うため、例年1日がかりの仕事となるのですが、今年は当日の調査に参加した会員が例年より多かったため作業がはかどり、半日で調査は終了しました。ここで得られた数値は「山田錦稲体の形態調査表」「山田錦選別前全粒および稈基重関連値調査表」としてまとめられます。
そして、1月下旬に開催される全員参加による「勉強会」で会員に配布され、これをテキストとして新年度の山田錦栽培をどうしたらいいのかを勉強するのです。

研究会ではこの他にも「山田錦栽培履歴表」というものがあります。これは、会員自身が記入するもので、どういう作業をいつやったか、そして、育苗内容、施肥の状況、農薬の仕様状況等も詳細に書き込まれています。さらに、各地区の代表圃場の稲の1年間の成長過程の調査記録「各地区代表圃場調査概要」。米の形粒調査をまとめた「穀粒判別器測定結果」。6月から11月までの天気・気温の記録「山田錦栽培期の天気概況」もあります。
 研究会ではこうしたデータを蓄積し、活用してきました。例えば、「この稲の形態であればもっと収量があってもいいはずなのに、どうして少なかったのだろうか」という場合に、他のデータを調べてみるとその原因が分かってきます。どこを、どうすればいいのかが分かってくるのです。
静岡山田錦研究会はこの日の「稲体の形態調査」のように、現物一つひとつを調べたデータを活用した指導で、会員がつくる山田錦の高品質・均一化を実現したのです。

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